京大の授業でシンガポールのGovTechについて話した

10/12、京都大学公共政策大学院の「地方行政実務」の授業にゲストスピーカーとして参加して、シンガポールのGovTech事情についてお話しさせていただきました。といっても、私自身はGovTechの専門家ではないため、シンガポールで参加したGovTechと関わりの深いイベントについて実体験をお話しさせていただきました。

 

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GovTechとは

GovTechを一言で言うと、政府のテクノロジー活用です。

xTechの中でもGovTech(ガブテック)は、政府(Government)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた言葉で、政府関係のテクノロジー活用を指します。政府が積極的に新しい技術を取り入れ、公的サービスをテクノロジーの力でより良いものにするのがGovTech、と言えそうです。

テクノロジー活用といっても幅広いため、具体的にどういうことかというと、以下の4点ほどが下記の記事の中では取り上げられていました。

  • テクノロジーを活用した様々な革新的なサービスを市民に提供する
  • テクノロジーを活用することで、リソースの節約やコスト削減を実現する
  • 政府が市民とコミュニケーションをとることで、市民が本当に欲しい公的サービスが提供されるようになる
  • 大学や研究機関、ベンチャー起業などと提携して、新しい技術を積極的に公的サービスとして市民に提供する

koumu.in

それでもまだあまり具体的にならない。

それだけGovTechが幅広い領域をカバーしているということだと思います。全体を体系的に網羅して話すことは難しいので、本当に個別の具体的な事例をお話しすることにしました。

 

シンガポールのGovTech

お話しした内容は主に3点。

  • Student Pass(ビザ)申請の話
  • Workforce Singaporeが主催するハッカソンに参加した話
  • Maker Faire Singaporeの話

ハッカソンMaker Faire Singaporeについてはこちらに書いたことがありますね。

singapore2018.hatenablog.com

singapore2018.hatenablog.com

 

Maker FaireはGovTechなのか?という気もしなくはないですが、民間イベントに政治家の方が来られて、STEM教育について話を聞いたり、実態を見る機会として活用している点では、GovTechの一端と言ってもいいのかなあ、とも思います。政府が主導して与えるものだけがGovTechではないようにも思いますし。

 

Student Pass申請手続きは、日本出国前はオンライン申請で完結し、面接等もないという簡潔な仕組みです。しかし、シンガポール入国後にオフラインでの申請が待っており、そちらがわかりづらい。

このプロセスについては改めて書きたいと思います。(ブログを書くペースが追いついていない問題)

 

よかったことと反省点

授業にはいろいろな方が来られていて、自分自身がシンガポールで経験していることを共有する良い機会になりました。一方で、GovTechという概念自体をどのようにとらえたらいいのか、自分自身としても整理できていなく、あまり体系立ててお話しできなかったり、Maker Faireハッカソンになじみのない方には少し唐突感のある話になってしまったかな、とも思います。

また、教えるということ全般に対してですが、どのように自分自身の体験を伝え、どのように共感してもらうか?疑問をもってもらうか? は常に難しいなと思います。今年はいろいろな場所に出て行きたいので、聞かれた方からのフィードバックをお待ちしております。

最後に、授業にお呼びいただいた東先生、参加者のみなさま、ありがとうございました!

 

おまけ

シンガポールのGovTechサイトは気合が入っている。

www.tech.gov.sg